
売上はある。
お客様もいる。
スタッフも増えた。
創業した頃と比べれば、会社は確実に成長している。
それなのに、
人を増やしても、自分の仕事は減らない。
以前と同じ営業をしているのに、成約率が下がってきた。
問題を一つ解決しても、しばらくすると別の問題が起きる。
もし、そんな状態が続いているなら。
いま必要なのは、新しい施策を増やすことではないかもしれません。
目の前に見えている「問題」が、原因ではなく症状だからです。
経営の問題は、見えている場所に原因があるとは限らない
売上が伸びないから、集客を増やす。
スタッフが育たないから、研修をする。
忙しいから、人を採用する。
法人営業が進まないから、営業トークを変える。
こうした対処が間違っているとは限りません。
問題は、その打ち手が本当の原因に合っているかです。
例えば、同じ「お腹が痛い」という症状でも、食べ過ぎなのか、ストレスなのか、別の原因なのかによって対応は変わります。
経営も同じです。
「売上が伸びない」という問題一つをとっても、
商品構成なのか。
対象顧客なのか。
価格なのか。
営業プロセスなのか。
継続率なのか。
原因によって、打つべき手は変わります。
だから私は、目の前に現れた問題を、そのまま原因だとは考えません。
事業が成長すると、問題はつながり始める
事業が小さいうちは、一つの問題に一つの対策で解決できることもあります。
しかし、会社が成長すると、
顧客、商品、営業、人材、業務、数字、そして経営者自身の役割が、互いに影響し始めます。
☑人材の問題に見えていたものが、実は商品構成と業務設計の問題だった。
☑時間の問題に見えていたものが、実は権限移譲と経営者自身の役割の問題だった。
☑利益の問題に見えていたものが、実は顧客構成や提供方法の問題だった。
こうなると、目の前の問題を一つずつ潰しているだけでは追いつきません。
必要なのは、
「どの問題を解くか」ではなく、「どこを変えれば、ほかの問題まで軽くなるのか」を見極めることです。
見るのは、「問題」ではなく「構造」です
経営の相談を受けたとき、ビーコネクトではすぐに施策を提案しません。
まず、
顧客
商品
営業
人材
業務
数字
経営者自身の役割
を横断して、何が起きているのかを整理します。
そのうえで、
- 何が主な原因なのか
- 何がそこから派生した症状なのか
- 原因同士がどうつながっているのか
- どこから解けば全体が動き始めるのか
を見極めます。
主因を見つけ、最初に解く一点を決める。
施策を考えるのは、その後です。
特に専門家事業や小規模企業では、経営者本人と事業が強く結びついています。
たとえば「仕事を任せられない」という問題も、業務フローだけが原因とは限りません。
「品質を落としたくない」
「自分がやった方が早い」
「お客様に迷惑をかけたくない」
そんな経営者自身の判断基準が、仕事を抱える構造をつくっていることもあります。
だから私は、経営の仕組みだけでなく、経営者が何を大切にし、5年後、10年後にどんな会社にして行きたいのかまで含めて考えます。
仕組みだけ整えても、経営者本人が納得していなければ続かない。
一方で、思いだけを優先して、顧客や収益の構造が成立していなければ事業は続かない。
経営は、「仕組み」と「人」の両方でできているからです。
処方する前に、診断する。
専門家であれば、お客様の相談を受けた瞬間に、いきなり解決策を出すことはないはずです。
話を聞く。
状況を見る。
原因を考える。
必要な情報を確認する。
そして初めて、方法を選ぶ。
経営も同じです。
売上が落ちたからSNS。
忙しいから採用。
成約しないから営業トーク。
と、症状から施策へ飛ぶ前に、一度診断する。
「いま起きている問題の中で、最初に解くべき原因は何か?」
この問いが持てるようになると、経営はずっとシンプルになります。
私が目指しているのは、経営者自身が、自分のビジネスの「主治医」になれる状態です。
問題が起きるたびに誰かの答えを探すのではなく、
何が起きているのか。
なぜ起きているのか。
何から手をつけるのか。
を、自分で判断できるようになる。
そして、自分だけでは原因を見極めにくいときには、一緒に事業を診断し、
「何が主因なのか」
「何から取り組むのか」
「逆に、いま何をやらないのか」
まで整理する。
これが成長期に差し掛かった経営者の観点としてとても重要になってきます。
なぜなら、こうした「症状と原因のずれ」は、特に事業が創業期から成長期へ移るときに起こりやすくなるからです。
人が増え、商品が増え、顧客が増えるほど、一つの問題がほかの問題とつながり始めます。
創業期と成長期では、経営の何が変わるのかはこちらをお読みください。