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資格が多くて「何の人か」伝わらないとき——全部を売らず、顧客が今必要なものから届ける

整理収納、キャリア相談、ファイナンシャルプランナー、身体のケア。学びを重ねるうちに、資格やスキルが増えてきた。

ところが、自己紹介では説明が長くなり、ホームページには複数のメニューが並ぶ。

相手からは「いろいろできるのですね」と言われるけれど、具体的な相談にはつながらない。
自分でも、結局何の専門家なのか分からなくなってしまう。

このようなとき、「専門分野を一つに絞らなければ」と考える人も多い。
「どれに絞ったらいいと思いますか?」そんな相談をされることもあります。

しかし、最初に見直したいのは、資格の数ではありません。

なぜ、それらの資格を取ろうと思ったのか。
その背景をたどると、ばらばらに学んできたのではなく、無意識のうちに、ある人の役に立つために必要なものを追いかけてきた場合があります。

複数資格を持っていることは実は、とても強いアドバンテージなんです。
同じ顧客の様々な悩みや課題へ対処し、必要な価値を届けられる可能性があることです。

資格を一つずつ伝え、売ろうとするから混乱する

資格を取ると、それを仕事に活かしたいと考えるのは自然なことです。

☑整理収納の資格があるから片づけサービス。
☑キャリアの資格があるからキャリア相談。
☑FPの資格があるから家計相談。
☑身体を整える技術があるから施術メニュー。

それぞれに商品を作り、自己紹介やホームページですべてを伝えようとします。

専門家本人から見れば、一つひとつが時間とお金をかけて身につけた大切な専門性です。
だから、どれも省きたくありません。

しかし顧客から見ると、できることが多いほど、何を相談すればよいか分かりにくくなる場合があります。

「いろいろできる人」とは分かっても、「今の自分は、何を頼めばよいのか」が分からない。
資格ごとに別の商品が並んでいると、それぞれが誰のどのような悩みのためのものかも見えにくくなります。

問題は、資格が多いことではありません。
資格を事業の出発点にして、一つずつ伝え、売ろうとしていることにあります。

資格が増えた背景には、同じ人への関心があるかもしれない

たとえば、整理収納、キャリア、お金、身体のケアという、分野の異なる複数の専門性を身につけた人がいます。

資格名だけを見れば、別々の分野です。

けれど、その人が見ていたのは、仕事と子育てを両立しながら頑張っている母親でした。

疲れて帰宅しても、家の中が片づかず休めない。
これからの働き方に迷う。
家計や子どもの学費も気になる。
身体には疲れがたまり、頭痛や肩、背中のつらさも出てくる。

こうした困りごとに触れるなかで、「これも役に立つかもしれない」と学びを重ねていった。本人は一つの事業を作るために計画して資格を集めたわけではありません。

それでも振り返ると、学びの先には、忙しく働く母親の日常を少しでも楽にしたいという方向がありました。

複数の資格は、関心が散らばった結果とは限りません。
ある人の日常を深く見て、必要な価値を追求してきた蓄積である場合があります。

一つの資格だけを持つ人より優れている、という意味ではありません。
一人の顧客が抱える複数の課題に気づき、必要に応じて異なる角度から支援できる。それが、複数資格を持つ人ならではの強みになり得ます。

これこそ、ビーコネクトで伝えている「サービスではなく、新たな日常を売る」ということです。
複数の資格とスキルで、目の前の顧客の様々な、新たな日常を作ることができるのです。

まず、自分が誰の役に立とうとしてきたのかを認識する

つまり、複数の資格を持っている人がすべきことは、持っている資格を一つの商品へ詰め込むことではありません。

最初に、それぞれの資格を取ったときのことを振り返ります。

  • いつ、何をきっかけに学ぼうと思ったか
  • そのとき、誰のどのような困りごとを見ていたか
  • その知識や技術によって、何を楽にしたいと思ったか
  • 資格とは別に、同じような人から相談されてきたことはないか

たとえば、片づけ、キャリア、お金、身体という資格名の共通点を探しても、一本の線は見つけにくいでしょう。

一方、「忙しく働く母親の、どのような場面を楽にしたかったのか」という視点で振り返ると、学びが向いていた相手が見えてきます。

大切なのは、すべての資格に無理やり共通点を作ることではありません。

自分は何の資格を持っている人なのかではなく、これまで誰の日常を見て、何を支えようとしてきたのかを認識することです。

売るときは、顧客が今必要としているものへ絞る

自分が力になりたい相手を認識できても、最初から持っている資格をすべて説明する必要はありません。

顧客が片づけに困っているなら、入口は片づけです。家に帰っても落ち着けない、必要な物をすぐ見つけられないという悩みに対して、まず必要な支援を届けます。

その場で、「キャリア相談もできます」「お金の相談もできます」「身体も整えられます」と続ければ、顧客は再び何を頼めばよいか分からなくなるかもしれません。

入口を一つへ絞ることと、自分の専門性を一つへ減らすことは同じではありません。

最初に伝えるのは、その顧客が現在必要としている価値です。
ほかの資格を隠すのでも、捨てるのでもなく、今は使わないと判断します。

資格を中心に「何を売れるか」を考えるのではなく、顧客を中心に「今、何が必要か」を考える。

この順番に変えると、複数の専門性が顧客を迷わせる情報ではなく、必要なときに使える支援の幅になります。

一つの新たな日常を届けた後に、次の課題が見えてくる

まずは、入口となった支援によって、一つの新たな日常を届けます。

片づけの支援であれば、単に収納方法を覚えることではなく、帰宅したときに物を探したり、片づけ直したりせず、落ち着いて過ごせる状態を目指す。その変化を先につくります。

その後、関係が続くなかで、別の課題が見えてくることがあります。

家の中が整ったことで、これからの働き方を考える余裕が生まれるかもしれません。

働き方を考えるなかで、家計や教育費への不安が具体的になることもあります。

仕事や家事を続けるために、身体の疲れを何とかしたいという相談が出る場合もあります。

そのとき、相手が必要としていて、自分の別の専門性で支援できるのであれば、次の価値を提供できます。

顧客にとっては、新しい課題が出るたびに、別の専門家を探し、最初から状況を説明し、相性を確かめる必要がありません。
すでに自分の日常を理解している人へ相談できること自体が、付加価値になります。

もちろん、持っている資格を使うために、顧客が求めていないサービスを勧める必要はありません。
また、自分の支援範囲を超える場合は、適切な専門家へつなぐ必要もあります。

複数資格の価値は、すべてを一度に提供することではなく、一人の顧客の日常を見続け、必要なときに必要な専門性を使えることにあります。

全部を売らず、顧客が今必要なものから届ける

資格が多くて「何の人か」伝わらないとき、資格を減らす前に、自分が誰の役に立とうとして学びを重ねてきたのかを振り返ってみてください。

無意識に見てきたターゲットを認識する。顧客が今必要としている一つの価値へ入口を絞る。まず、一つの新たな日常を届ける。

そして、次の課題が見えたときに、別の専門性が本当に役立つかを考える。

この順番なら、複数の資格は、顧客を迷わせるメニューの数ではなく、同じ人へ継続して価値を届けられる支援の幅になります。

そして、目の前の顧客へ継続的な価値提供を行っていった結果、継続売上にもつながっていきます。

つまり、複数の資格があることで、顧客の役にも立ち、継続的な売上にもつながる。
これこそが、複数の資格を持っている人の強みであり価値なのです。

なお、資格やスキルそのものではなく、それによって顧客へどのような変化を届けるのかを整理したい方は、「サービスではなく、新たな日常を売る。」もあわせてご覧ください。

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