ホームページを作ったのに問い合わせが来ないとき、デザインより先に確認すること

ホームページを公開し、知人や同業者から「きれいですね」「分かりやすいですね」と言われた。
それなのに、見込み客からの問い合わせは来ない。そんな状態になると、写真を変える、色を変える、ページを増やすといった修正を考えたくなります。
デザインは大切です。ただ、問い合わせが来ないとき、最初に確認することは見た目の良し悪しではありません。
先に確認したいのは、そのホームページが、誰に、何を理解してもらい、次にどんな行動をしてほしいサイトなのかです。
ここが曖昧なままでは、何を目立たせ、何を削り、どの順番で見せればよいかも決められません。
きれいなホームページでも、問い合わせが来るとは限らない
仲間や同業者がホームページを見て、「いいですね」と評価してくれることがあります。
その言葉はうれしいですよね。
しかし、見た人が好印象を持つことと、見込み客が「自分に必要なサービスだ」と判断できることは同じではありません。
見込み客は、デザインだけを見て依頼を決めているわけではありません。
「これは自分の悩みに関係するのか」
「相談すると、何が変わるのか」
「この人に任せてよいのか」
「次に何をすればよいのか」
こうした問いへの答えを探しながら見ています。
デザインには、その答えを見つけやすくする役割があります。
しかし、何を答えるべきかまでは、デザインだけでは決まりません。
先に、ホームページの目的と、見込み客にたどってほしい流れを決める必要があります。
そのホームページは、存在確認のためか、問い合わせのためか
まず、ホームページに期待する役割を分けてみます。
一つは、会社や専門家としての存在を確認してもらう役割です。
紹介を受けた人や名刺を受け取った人が、実在する会社か、何を専門にしているか、どこへ連絡すればよいかを確かめます。
もう一つは、初めて訪れた見込み客にサービスを理解してもらい、相談や問い合わせへ進んでもらう役割です。
存在確認が主目的なら、ホームページから直接問い合わせが少なくても、それだけで失敗とは言えません。
紹介や商談の前後で信頼を補う役割を果たしていることもあります。
一方、問い合わせ獲得が目的なら、会社情報、プロフィール、サービス一覧を載せるだけでは足りない場合があります。
見込み客が自分との関係を理解し、頼む意味を判断し、安心して次の行動へ進める流れが必要です。
目的が違えば、載せる情報の優先順位も、成果を見る基準も変わります。最初に「何のために作ったホームページなのか」を確認するのは、そのためです。
「誰が、何を理解し、どう動くか」を一文にする
問い合わせを目的とするなら、ページを直す前に、次の一文を埋めてみてください。
このホームページは、【誰】が、【自分のどんな悩みのためのサービスか】を理解し、【サービス後に得られる変化】を具体的に想像したうえで、【次の行動】へ進めるようにするためのものである。
「誰」は、「経営者」「女性」「中小企業」といった広い属性だけでなく、その人が置かれている場面まで考えます。
例えば、「ホームページを作りたい経営者」ではなく、「紹介中心で仕事をしてきたが、新しい見込み客にもサービスの価値を理解してもらいたい専門家事業者」というところまで置くと、必要な情報が変わります。
「次の行動」も、「興味を持ってほしい」では少し曖昧です。
相談を予約してほしいのか、問い合わせてほしいのか、資料を見てほしいのか。主となる行動を一つ決めます。
この一文が決まると、制作会社へ「もっといい感じにしてください」と伝えるのではなく、「この人が、自分向けの支援だと分かり、相談へ進めるようにしたい」と具体的に相談できます。
自分が言いたい順ではなく、顧客が判断したい順に置く
専門家は、自分のサービスについて多くの情報を持っています。そのため、理念、経歴、資格、専門手法、サービス内容を丁寧に説明したくなります。
どれも必要な情報です。ただし、初めて訪れた人が知りたい順番と一致しているとは限りません。
見込み客は、概ね次のような順番で判断します。
- 自分の悩みに関係するサイトか
どのような人の、どのような困りごとを扱っているのかを確認します。 - このサービスで何が変わるのか
提供内容だけでなく、利用した後に仕事や日常がどう変わるのかを見ます。 - なぜ、その変化が起こるのか
支援の考え方や進め方に納得できるかを確かめます。 - 誰が、どのように支援するのか
経験、専門性、人柄、支援の範囲などから、安心して任せられるかを判断します。 - 自分は次に何をすればよいか
問い合わせ方法と、その後の流れを確認します。
資格や手法を載せてはいけないのではありません。先に「自分に関係がある」「自分にとって意味がある」と分かるからこそ、資格や手法が信頼の材料になります。
サービス内容も同じです。「60分の相談」「全6回の講座」と書くだけでは、見込み客は受けた後の自分を想像しにくいかもしれません。
その時間や回数によって、これまで何に迷っていた人が、どのような判断をできるようになるのか。そこまで伝えると、サービスの意味が分かりやすくなります。
問い合わせまでの、どこで止まっているのか
問い合わせが来ないという結果だけでは、原因は決められません。
全面的に作り直す前に、見込み客の判断がどこで止まっているかを分けてみます。
自分向けのサービスか分からない
「幅広いお悩みに対応します」「経営を総合的に支援します」と書かれていても、初めての人は、自分の状況が対象なのか判断しにくいことがあります。
この場合は、対象者の肩書を狭めることより、どのような場面で、何に困っている人のためのサービスかを具体的にすることが先です。
何をしてくれるかは分かるが、頼む意味が分からない
面談時間、回数、使用する手法は書かれていても、それによって何が変わるかが見えない状態です。
この場合は、説明を増やす前に、顧客が今どのような状態にいて、支援後には何をできるようになるのかを整理します。
抽象的な「成長」「理想の未来」ではなく、次の判断を選べる、毎週の作業時間が減るなど、日常の場面まで落とします。
興味はあるが、次に何をすればよいか分からない
問い合わせボタンがあっても、「何を相談してよいのか」「問い合わせた後に何が起きるのか」が分からなければ、押すことをためらう人もいます。
相談できる内容、入力に必要な情報、返信の方法など、次の一歩を具体的にします。ボタンを目立たせることは、その後です。
そもそも、ホームページを見られていない
訪問する人がほとんどいないなら、ホームページ内の文章やデザインだけを直しても、問い合わせが増えない可能性があります。
この場合は、検索、紹介、SNS、広告など、誰がどこから来るのかを別に確認する必要があります。
ただし、集客手段を増やす前に、来た人が判断できる状態を整えておくことも必要です。人を集めることと、問い合わせを判断できる情報をつくることは、分けて考えます。
デザインを直す前に、まず一枚で整理する
次にホームページを見直すときは、いきなり画面を修正せず、まず次の五つを一枚に書き出してみてください。
- このホームページの主な役割は何か
- どのような場面で困っている人に来てほしいか
- その人に、サービス後のどんな変化を伝えるか
- 判断するために、どの順番で情報を見せるか
- 最後に、どの行動へ進んでほしいか
そのうえで今のページを見ると、必要な情報が足りないのか、同じ説明が重なっているのか、事業者が伝えたい順になっているのかが見えやすくなります。
ここまで決まった後に、文字の大きさ、写真、配色、余白、ボタンの位置を整えます。デザインは最後のお化粧ではありません。
決めた意図を、見込み客が迷わず受け取れる形にするための大切な仕事です。
だからこそ、デザインへ何を頼むかを先に決める必要があります。
ホームページに載せるサービス内容ではなく、その先にある顧客の変化を整理したい方は、「サービスではなく、新たな日常を売る。」もあわせてご覧ください。